喜の向くままスマホゲームブログ

当ブログは東アジアのスマホゲームについて「喜の向くまま」に書いていくものです。中国関連の話題が多めになると思います。

『王牌战士(ACE FORCE)』レビュー ~これは紛れもなく「スマホ版オーバーウォッチ」~

オーバーウォッチ』と言えば、ブリザード・エンターテイメントが開発・運営しているチーム対戦形式で行われるオンラインFPSで、世界中で多くのプレイヤーを抱えている人気作品だ。最近、シリーズ第2弾の『オーバーウォッチ2』が発表され話題になったことも記憶に新しい。

そんな魅力的なゲームが「スマホで遊べる」としたらどうだろうか。実は中国では既に「スマホオーバーウォッチ」とも言うべきタイトルがリリースされている。

 

『王牌战士(ACE FORCE)』(以下:王牌战士)はテンセントが8月13日に中国でリリースしたスマホFPSだ。原則5vs5の形式で行われ、プレイヤーは多様なヒーローの中から1体を選択してチームの勝利のために役割を全うする。そういったゲームシステムでもあることから非Pay to Winタイトルであることを標榜しており、実況映えするタイプなことも相まって非常にe-sports向きなタイトルだ。

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まずはプレイ動画を見てもらいたい。スマホでありながら快適なFPS体験が実現されている。

 ゲームの流れを紹介しよう。プレイヤーは複数のゲームモードから遊びたいものを選択し、ソロまたはチームを組んでマッチング成立を待つ。マッチングが成立したら自分が使用するヒーローを選択する。同一チーム内で同一のヒーローを重複して選択することはできないので、早めに選択するか複数のヒーローの扱いに慣れておくといい。

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全員のヒーローの選択が済んだらいざ試合開始だ。指定の勝利条件達成のために、チームの勝利を目指してプレイヤーは戦いに身を投じる。デフォルトでは画面左でヒーローを移動させ、右で攻撃やスキル発動などを行う一般的なスマホアクションゲームの要領で操作する。もちろん自身が操作しやすいようにボタンの配置や大きさを変更することも可能だ。

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試合をしていれば、当然倒されることもある。その場合はリスポーン地点に戻されるのだが、その際に試合中であっても使用するヒーローを変更することができる。相手チームと一戦交えてみて相性が悪いなと感じたら思い切って違うヒーローを使ってみるのも1つの戦略だ。

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画面中央下の「切換选手」から使用するヒーローを変更できる

そしてどちらかのチームが勝利条件を満たしたら試合終了。リザルト画面ではMVPが表示され、各プレイヤーのキル場面を集めたハイライトが流れる。他のプレイヤーにいいねを送って健闘をたたえ合うこともできる。

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以上が『王牌战士』の基本的な流れになる。試合を繰り返して腕を磨くもよし、気の合う仲間とワイワイ遊ぶもよし、楽しみ方は人それぞれだ。

 

だが、FPSである以上やはり勝利を追い求めたくなるのが人の性ではないだろうか。ということで、勝利のための第一歩として『王牌战士』に登場するヒーローについて考えてみよう。

ヒーローは以下の5つのタイプに分類される。(右は私が使ってみた感想)

①狙击(スナイパー):遠距離から強力な一撃を放ち味方を支援

②重装(タンク):強固な壁性能を武器に前線でチームの盾に

③游击(レンジャー)臨機応変な立ち回りで敵を撃破

④压制(ダメージ):ドローンや地雷の設置や飛行攻撃で戦場をコントロール

⑤突袭(アサシン):透明化や分身などトリッキーな動きで敵を急襲

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それぞれ向き不向きがあるのでおのずと求められる役割が生まれる。『王牌战士』はチーム戦なので、チームが勝つために自分のヒーローでやるべきことをやるという立ち回りをする必要がある。このヒーローはどう運用すればチームに有利にはたらくか、ということを考えるのは本作の永遠のテーマだ。

そして運用を考える上で、「技能」も非常に重要な要素だ。各ヒーローは固有の技能を複数有している。当然1つとして同じものはなく、これにより同タイプのヒーローであっても使用感や運用方法が大きく差別化されている。

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例えば「雪」というヒーローは、味方に向けて回復効果のある矢を放てる。スナイパーでもあるので、後方支援に最適だ

それとは別に、全ヒーロー共通で試合に持ち込める「战备物資」というものもある。使うと一時的に移動速度が上がったり付近の敵の位置を察知できたりする。僅かな反応の遅れが命取りになるFPSだからこそ、有効活用できれば勝率も上がるだろう。

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また各ヒーローには「天賦」という、弾倉容量増加やスキルクールタイム短縮などの強化項目が7つ用意されている。試合で使用したヒーローには熟練度が加算され、その段階に応じて7つの天賦の中から最大4つを指定して試合中に発揮することができる。

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課金云々ではなく「とにかくいっぱい遊べばヒーローも強く使いやすくなる」という形式なので不公平感はないし、天賦のカスタマイズにより同一のヒーローでも運用方法に若干違いが出るのも面白い。

 

そして勝利の追求のためにはもうひとつ、「どんなルールで戦うのか」も知らねばなるまい。

現在、『王牌战士』では以下の4つのゲームモードでランク戦が行われている。いずれも5vs5で戦うのは共通事項だ。

①団体対抗:先に指定されたキル数を達成したチームの勝利

②拠点占領:マップの指定区域の占有率を先に100%にしたチームの勝利

③団体殲滅:先に相手チーム5人全員を倒したチームに1ポイント加算。どちらかのチームが全滅したら第2戦、第3戦と繰り返し、4ポイント先取したチームの勝利

④爆破入侵コイントスで攻撃側と防御側に分かれ、攻撃側はマップの指定された2地点のうちどちらかで爆弾を起爆できれば1ポイント獲得。防御側は制限時間まで起爆を許さないか、設置された爆弾を解除できれば1ポイント獲得。これを繰り返して3ポイント先取したチームの勝利

この4つのモードに基づき、様々なマップで試合を行う。ルールの特性やマップの形状によって特に活躍が見込めるヒーロー(またはその逆)もいるだろうから、試行錯誤していろんな可能性を追究するのもいい。

なおこの他にもランクなどは気にせずに気楽に遊べる変わったゲームモードやバトロワモードなどが現在進行形で続々と追加されており、ゲームモードやマップの今後の拡充にも大いに期待できる。

 

日本では既に『Call of Duty Mobile』が配信された。スマホゲームが世に浸透し、進化を続け、遂にはFPSまで遊べるようになったのだ。昨今はTPSもFPSも当たり前のようにスマホでプレイできているけれど、これ冷静に考えると相当すごいことなんじゃないだろうか…。

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実は昨日のアップデートで1vs4の非対称対戦モードがちょうど実装されたばかりで、まだまだコンテンツとしての幅は広がりそうだ。しばらくはこの刺激たっぷりのFPSライフを堪能することにしよう。

 

関連リンク

『王牌战士』公式サイト