喜の向くままスマホゲームブログ

当ブログは東アジアのスマホゲームについて「喜の向くまま」に書いていくものです。中国関連の話題が多めになると思います。

『ロストディケイド(苍之纪元)』レビュー ~次なる放置系RPGの期待株は(いい意味で)放置できない?~

昔は暇さえあればゲームで遊んでいたのに、ライフステージの変化につれゲームに費やす時間が確保できなくなりいつしか遊ばなく(遊べなく)なってしまった、という人もいるのではないだろうか。

そのような、今となっては多忙を極める大人に成長した人でも「放置ゲー」と言われるジャンルのスマホゲームは遊びやすい。ゲームを起動していない時でも内部では戦闘などゲームが進行していて、次にログインした時にその結果をまとめて享受できるからだ。「遊んでないのに遊んだことになっている」ので、プレイヤーはしばしば「作業」と揶揄される周回要素から解放され、ゲームの楽しみたい部分に集中して時間をかけることができるのが放置ゲーの魅力だろう。

そんな放置ゲーの新鋭として私が期待しているタイトルがある。それが『ロストディケイド』だ。ファンタジー世界を舞台にしたキャラ収集型放置系RPGで、実は中国では『苍之纪元』というタイトルで2018年の3月下旬にリリースされていた。

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そもそも私はなぜ『ロストディケイド』に期待しているのか。それは『苍之纪元』をプレイした時に「放置ゲーなのに(面白くて)放置できない!」という状態になってしまったからだ。矛盾めいたこの状態こそ、もしかしたら面白い放置ゲームの条件なのかもしれない。

 

放置系RPGらしく、ゲームが始まるとお約束かの如く戦闘に駆り出される。その流れの中でプレイヤーはキャラの強化や装備についてチュートリアルとして学ぶことになる。そうしているといつの間にかプレイヤーランクが上がっていて、複数のコンテンツが開放されているので、今度はそのコンテンツをプレイして…などとやっていると、いきなり「放置ゲーのはずなのにやること盛りだくさんでガッツリ遊んじゃってるんだけど!」という流れにまんまとはまってしまう。

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おそらく『苍之纪元』はバランス感が絶妙なのだろう。特に序盤は「あとちょっと戦力上がったら次のステージいけるな、このコンテンツも遊べるようになるのか」という場面が延々と続くうえに、その「あとちょっと」がキャラを強化するとか装備をいいものに交換する程度の本当にちょっとしたことで済むのでついついプレイを継続してしまうのだ。

だがそうは言ってもさすがにある程度ゲームが進行すると、できることが増えるまでにかかる時間が長くなるので次第に放置ゲーらしさが出てくる。だからやることなくなったなと感じたら堂々とログアウトして放置すればいいのだが、ゲリラ的に開店するお得なショップがあったりするのでログインしてれば何かいいことあるかもと期待して結局放置できないところまでが様式美だ。もちろん放置ゲーと相性のいいチャットもあるので日本版ならゲーム内でダラダラと時間をつぶすのにも困らないだろう。

 

他にもプレイヤーが思わず放置できなくなってしまうような機能がある。例えば競技場だ。他のプレイヤーのパーティと対戦を行いランク上位を目指す機能だが、頻繁にその上位ランカーによるトーナメント戦が開催される。そこで観戦者はリアルタイムで対戦カードのどちらが勝つかを予想して専用のコインをベットし、的中すれば大きなリターンを得ることができる。

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これが夜の1時間の間に数試合開催されるので、全ての勝敗予想を的中させればかなりの報酬が得られるのだ。もちろん報酬欲しさに決勝戦に全額ベットして外せばおじゃんだが、この試合は予想が難しいからスルー!というのも認められているので安心だ。しかし勝敗を見守り、次の対戦カードのチェックもするとなれば、当然放置なんてできるわけもないではないか…!

 

また、一風変わった機能としてラジオ機能がある。…と言ってもなかなか理解しにくいかもしれないが、文字通りゲーム内で誰かが配信しているラジオを聴くことができる。ラジオの配信者が誰なのかは分からなかったのだが、運営側で用意した人物なのだろうか。

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これを日本版『ロストディケイド』に置き換えて考えた場合、パブリッシャーのブシロードといえばグループ会社がインターネットラジオを運営・配信しており、その辺りのノウハウは持っているだろう。ということは、ゲームの出演声優陣がゲーム内でラジオ配信したり…なんてことも可能なんじゃないか?

気になったので公式サイトを確認したところ…

「通信技術が発達したアウロラの世界では、放送局が存在します。ゲーム内ではこの放送局で様々な番組が配信され、皆様の冒険を助けたり、憩いのひと時を提供します。配信時間を確認し、冒険の合間に聞いてみましょう!」

…との記載が!どうやら日本版でもラジオ機能は実装されているようだ。だがちょっと待て、配信時間をチェックしてゲーム内でラジオを聴いて~なんてしていたら、やっぱり放置できないじゃないか!

 

放置系を謳う割には全く放置させる気がないんじゃないかと勘繰ってしまう本作だが、最初から放置できないコンテンツも存在する。放置戦闘で獲得した情報値を消費することで冒険任務に赴くことができるのだが、これは専用のマップでおつかいのような簡素なクエストをこなしていくものだ。放置では進められず、選択肢から実行する行動を選んだりもするので自らの手でプレイする必要がある。とはいえ難易度を下げれば派遣券というスキップチケット的なもので瞬時に終わらせることもでき、手早く済ませたいというニーズにも応えている。

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ギルドもあるしその他にも様々なコンテンツが用意されているのだが、そうなるとマネタイズの幅も広がってくる。その中でもメインになるのはやはりキャラだ。キャラはガチャによって獲得できるが、英雄の証といういわゆる欠片制度を採っており、そのままの姿で獲得できる確率は低めに設定されている。一定数の英雄の証を集めるとキャラに変換でき、その後もキャラの覚醒のたびに一定の英雄の証が必要となる。

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キャラは3人1組でパーティを編成する。編成次第でキャラ同士の組み合わせスキルが発動するケースもあったり、キャラに装着するルーンの組み合わせで特殊なバフが発動したりと育成面でのやりこみ要素も期待できる。そしてここを試行錯誤しようとするとやっぱり放置できなくなるわけだ…。

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本作は間違いなく放置系RPGではあるが、その一方でRPGらしさをちゃんと感じる部分が大いにある。それにプレイヤーが放置したくなくなるような仕組みがちりばめられていて、いい意味でくせものっぽさすら感じてしまう。

出演声優陣を見ても豪華な面々が並んでおり、放置ゲー好きにも、スマホRPG好きにも、声優ファンにも満足してもらえる出来になっているはずだ。

先般、2020年2月にリリースされることが明らかになった。現在事前登録中なので気になった方はチェックしておくといいだろう。

※この記事内容は中国版『苍之纪元』を元に作成しているため、今後リリースされる日本版『ロストディケイド』とは内容が異なる可能性があります。予めご了承ください。

 

関連リンク

『ロストディケイド』公式サイト