喜の向くままスマホゲームブログ

当ブログは東アジアのスマホゲームについて「喜の向くまま」に書いていくものです。中国関連の話題が多めになると思います。

『ガール・カフェ・ガン』レビュー ~至高のLive2Dは一見の価値あり~

近年、『Live2D』を採用するスマホゲームが増えてきた。従来は動かなかった2Dの立ち絵を限りなくそのままに近い状態で、かつ滑らかに動かすことができるようになったことでゲーム内での表現力が格段に向上した。特に美少女ゲーなどキャラゲーと評されるタイトルでの採用例が目立ち、キャラの魅力を引き立てるのに一役買っている。

そんな中、トップクラスのLive2Dクオリティを誇るのではないかというタイトルが現れた。それが『ガール・カフェ・ガン』である。

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実は『ガール・カフェ・ガン』には前作がある。『少女咖啡枪』というタイトルで、私がその存在を知ったのはちょうど日本で『崩壊3rd』や『陰陽師』といった「日本風」といわれるタイトルが話題になっていた頃だった。プレイしてみると、出演声優は当然のごとく日本の著名声優だし、オープニングの曲はfripSideだし、キャラデザは大槍葦人さんだしで確かに紛れもなく「日本風」のゲームだった。バトルは3Dの全方位シューティングアクションだったが、ステージ上に置かれているロボットに飛び乗って派手な攻撃をぶちかましたり、あるいはバスに乗って敵を轢き殺したりとただ戦わせるだけじゃない遊び心が垣間見えた。

全体的なクオリティも当時としては十分合格点のレベルにあると感じたが、日本で『少女咖啡枪』は成功せず、ついに日の目を見ることはなかった。プロモーションが行われていたようには見えなかったし、なにより言語ローカライズができてなかった(テキストは全て簡体字)のは致命的だった。

だがあれからおよそ3年、『少女咖啡枪』は『ガール・カフェ・ガン』として再び日本にやって来た。キャラ数も増え、ちゃんと言語ローカライズもして、もちろん自慢のLive2Dもさらに進化を遂げて帰ってきた。

Live2D(またはSpineもそうだろうか)の優れた点とは何かと聞かれたら、表情や仕草の細かい部分まで表現できることだと私は答える。ゆらゆらと揺れているだけでは2Dアニメーションを生かし切れているとは言えないと思うのだが『ガール・カフェ・ガン』ではいい意味でキャラの表情がコロコロと変わるし、間違いなく最高峰のLive2Dクオリティと言っていい。

ゲームの流れとしては、バトルと育成のサイクルを繰り返す従来の「ソシャゲ」の流れを踏襲している。

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バトルは前作同様3Dの全方位シューティングアクションだが、個人的には前作よりも「弾幕シューティング」感が強まったように感じる(前作はアクションゲーム感のほうが勝っていた記憶…)。とはいえ、スキルや回避を使って戦うのは一般的なアクションゲームの要領と同じだ。

また、前作は戦闘に参加するキャラが1体だったが今作では3人1組のチームで戦うようになっている。これにより弾幕が避けにくくなってしまったのだが、ちゃんと対策もされている。実はキャラにはHPのほかにシールド値というものが設定されている。チームに編成されているキャラのシールド値の合計をチームで共有し、被弾時はまずシールド値から削られていく、つまり、シールドが健在な間はどれだけ被弾してもダメージは受けないのだ。シールド値は減少してもしばらく被弾しないと自動で回復するので思った以上に戦いやすい。オートプレイも用意されており、片手間で遊べるのも嬉しい。

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画面中央1番下のゲージがシールド値を表している

ただ、少し残念だったのは前作のロボットやバスなどのステージギミックが見当たらなかったことだ。昨今の市場の状態を踏まえ、お手軽さや遊びやすさを重視した結果なのかもしれないが、そういった部分も私が『少女咖啡枪』を気に入った理由だったので、遊びの部分が悪く言えば単調になってしまった気がしている。

 

そしてバトルで得たアイテムでキャラを強化していく。レベルを上げたり、限界突破したり、キャラを重ねて覚醒させてスキルを強化したり…と、もはやおなじみの要素だ。

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キャラやキャラに装備させる武器はガチャで獲得する。キャラガチャと武器ガチャは分かれており、キャラガチャには天井が設定されている(50連で最高レア確定)のでやや親切な感じもする。ただ最高レアのひとつ下のレアリティのキャラも最高レアのキャラと遜色ない強さがあると感じたので、気に入ったキャラを育てる方向性でいいのかもしれない。

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そしてカフェだ。箱庭要素であるカフェではキャラを店員として配置し、コーヒーを作るとお客さんがやって来る。お客さんは代金としてキャラ強化などに使うゲーム内通貨を支払ってくれる。もちろん店内の内装は任意に変更できるし、家具を置くとキャラがそれに対応した動きをしてくれることもある。

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 『ガール・カフェ・ガン』は先月日本先行のような形で配信されたばかりで、実は9月末に中国版の版号を獲得したと発表されたので、現地でも間もなく配信されるのではないかと思っている。

キャラの好感度を上げたり衣装が増えたりするとLive2Dのモーションのバリエーションも増えるようだ。今現在の最高峰のLive2Dがいかほどのものなのかを知るという目的でも本作を1度プレイする価値は十分にあるだろう。