喜の向くままスマホゲームブログ

当ブログは東アジアのスマホゲームについて「喜の向くまま」に書いていくものです。中国関連の話題が多めになると思います。

【雑記】2020年、日本と中国のスマホゲームに期待すること【後編】

さて、後編では予定通り個人的視点による日中の今年の期待作を紹介していきたい。表題の「期待すること」としてはもう「とにかく面白いゲームをいっぱい作ってくれ!」としか言いようがないので、現時点で存在が明らかになっている中で「これ面白そう…!」と思うタイトルをいくつか紹介したい。もちろん私自身の好みもガッツリ反映されているし、うまくいってほしいという希望すらも含まれている点はあしからず…。

 

まず、最も期待しているのが『原神』だ。これは私が『ゼルダの伝説』シリーズのファンであり、また自分でキャラをガシガシ動かして自由に探索するタイプのゲームが好物であることも大いに影響しているのだが。

昨年6月にその存在が明らかになると、すぐにとある反応が各方面からあがった。それは「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(以下:BotW)』に似すぎ(パクリである)」というものだ。実際私も最初にPVを見た時は同じ印象を抱いてしまったのだが、それと同時に「これスマホでできるの?」という純粋な驚きや期待もあった。

「BotWにそっくりなゲーム」として知名度が上がると日を追うごとに話題にされることも増え、注目度は高まっていった。さらに8月にはなんとPS4でもリリースされることが明らかになったのだ。確かにゲーム内容としてはコンシューマでプレイできても何一つ違和感などない(むしろそのほうが自然だ)し、おそらくこれにより日頃コンシューマゲームをメインにプレイしているユーザーからも一層認知されることとなっただろう。

そして迎えた9月、東京ゲームショウ2019でプレイアブル出展されるということで、この機会を逃すわけにはいかないと早速ビジネスデイ初日に幕張メッセへ向かった。ブースに到着し待つことおよそ1時間半、ようやく順番が回ってきた。本当にただのBotWのパクリなのか、それとも全く違うゲームなのか、自分でプレイして確かめるほかあるまい。

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試遊時間は12分、割と長めに用意してもらえたと思っていたのだが、これは間違いだった。目の前に広がるオープンワールドを自由に探索していたら、12分なんて本当に一瞬でしかなかったのだ。いかにも何かありそうな場所があったら行きたくなるのがゲーマーの性だし、あたりを見渡せば「あそこにも何かありそう」となって好奇心をかきたてられてしまう。

では試遊を踏まえたうえで、肝心の「原神はBotWのパクリか?」についての私の見解だが……申し訳ない、今の段階では答えられないというのが正直なところだ。

なぜか。確かに広大なフィールドを様々な手段を駆使して探索し世界を解き明かしていく感はBotWに通じるものがあるし、アートも似ていると言わざるを得ない。だがアクションというか戦闘部分に目を向けると、『崩壊3rd』で培われたスマホアクションゲームに似た姿が見てとれる。複数のキャラを切り替えつつスキルを使って戦う様はまさにおなじみのスマホアクションゲームのそれで、少なくともこの点において「これはBotWでしょ」とはならなかったからだ。

はっきりと答えを出すためには、これはもう正式リリースされたものを腰を据えてじっくりとプレイするしかない。12分というわずかな試遊時間で答えを出そうとすることがおこがましかったのだ。だがそもそもパクリか否かを判断するためにゲームをプレイするというのも本来あるべき遊び方や楽しみ方ではないと思うし、スマホでもこれだけのスケールのゲームがプレイできることを喜びつつ、今度こそ原神の世界に時間を忘れて思いっきり浸ってみたいという気持ちのほうが圧倒的に強い。

1つ言えるとすれば、正式リリースされる時点での原神はBotWのパクリという評価から脱却した状態である可能性は大いにある、ということだ。実は昨年6月のCβT後に制作陣からのメッセージが届けられたのだが、その内容として「BotWを含む複数のオープンワールドのゲーム(Falloutシリーズやアサシン クリードシリーズ)をプレイしたこと」「BotWやGTAシリーズから学びがあったこと」や「原神はオンラインゲームではあるが、MMORPGではなく、PvPやPKは志向していないこと」などが綴られていたのだ。おそらく基本無料のゲームになるだろうし、そこにオンライン要素も加わればBotWとはプレイフィールが違うゲームになることも想像に難くない。だから私は原神が新たな冒険の舞台へと導いてくれると信じてリリースの時を待ちたいのだ。

 

期待を抱かせてくれるタイトルはまだまだある。次に紹介したいのは『ラクガキ キングダム』だ。特徴は何といっても自分の描いた絵がそのまま立体化し動き出す「ラクガキシステム」だ。もうこの説明だけでもワクワクしてしまう。もちろんこのようなシステムを搭載したスマホゲームは今まで1つとしてなかったはずだ。

自分が描いた絵をキャラとして育成し物語を進める育成RPGになるとのことで、キャラがゲーム側から与えられるのではなく自ら生み出した存在であるため、愛着のわき方が他のゲームとは異質なものになるのではないかと期待している。

また昨今のスマホゲームではSNS(主にTwitter)での盛り上がりというのも重要な要素だが、本作の場合は自分が描いた絵を投稿すると、それに対するリアクションがあるという想定が具体的にイメージできるのもいい。絵心のある人、例えば専業のイラストレーターが「某作品の○○描きました!」というのも話題のきっかけになるだろう。

惜しむらくは私自身に絵心が全くないということだ。しかし絵に自信がない方も安心してほしい。作成したキャラは「ラクガキガレージ」というところに投稿でき、そこから他のプレイヤーが描いたキャラを無料でダウンロードできるようになっているのだ!ただ、どうしても自分が描いたキャラを育てたいという人もいるだろう。うまい絵が描けなくても、不格好なキャラでも愛情を注いで育てればきっとカッコかわいいキャラにも負けないくらい輝いてくれる…はず!本作が気になった方は、リリースまでの期間で絵を描く練習をするのもいいかもしれない…?

 

上述の2作品とは異なり、1人でコツコツとプレイしたいという方には『OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者』を紹介したい。The Game Awards 2018において複数部門でノミネートされた『OCTOPATH TRAVELER』において8人の主人公が旅をしたオルステラ大陸の数年前が舞台となったシリーズ最新作で、今作もシングルプレイ用のRPGとなっている。

特徴であるHD-2Dのグラフィックは今作でも健在で、バトルもブレイクやブーストなど前作と同じようなシステムのもと繰り広げられるようだ。

私が気になっているのはフィールドコマンドの部分。前作ではNPCが持つアイテムを盗んだりすることで序盤にもかかわらず強力な武器を手に入れて戦うことができるなどハチャメチャな遊び方も可能で、この要素も前作を特徴づける1つだった。だが今作は基本無料+アイテム課金方式、さすがにこれをやるのはバランス調整の観点で難しいのでは…と思っているのだが、公式サイトでは聞き出す、ねだる、雇うなどのコマンドがあることが確認できる。ねだる…ということは、武器などゲームバランスに大きな影響を及ぼしかねないものは難しいとしても、ゲームへの影響軽微なアイテムを譲ってもらったりは可能なのだろうか。

もともとは2019年内のリリースを予定していたが、ストーリーの追加をメインに運営していく方針のため、そのストーリーを質量ともに安定して供給するために当初のスケジュールから遅らせてのスタートとなるようだ。ということはリリース後も十分なストーリーボリュームがあるということだろうから、骨太なRPGとして我々の前に姿を見せてくれることを期待したい。

 

様々な要因によるスケジュールの遅延など開発の難しさを感じさせる期待作と言えば忘れてはならないタイトルがある。そう、『ウマ娘 プリティーダービー』だ。プレイヤーはトレーナーとなり、歴代の名馬の名を冠する「ウマ娘」を育成してレースでの勝利を目指す。レースに勝利したウマ娘はその後のウイニングライブでセンターポジションに立ってパフォーマンスを披露してくれる。

最初にトレーラーを見た時、ウマ娘たちが走る姿のシュールさに思わずよくない意味で笑ってしまったのを覚えている。事前登録が始まったのは2018年の3月だが、それ以前から各種メディアミックスなど多角的な展開を行っており相当に気合の入ったプロジェクトであると感じられた。

そして2018年4月にはTVアニメが放送された。意外にも熱いスポ根もの(私見)として描かれ、中には「あの日誰もが見たいと願ったはずだが、誰も見ることができなかった瞬間」も丁寧に表現されていて、放送が終わる頃にはウマ娘たちが走る姿をあざ笑って見ていた過去の私はもう跡形もなく消え去り、気づけばすっかり作品のファンになっていた。

そしてアニメ放送が終わり、いよいよゲームも「出走」か!と思われたが、ここから度重なるリリース延期やコンテンツプロデューサーの退任など紆余曲折を経て今に至る。しばらく音沙汰がない時期があったりして、開発が頓挫してしまってもうゲームはリリースされないのではないかと不安になった方もいたかもしれない。

だが、ウマ娘たちは我々の見えないところで懸命に走り続けていた。昨年末に久方ぶりに開発状況が伝えられ、2020年の配信を目指していると明かされた。我々にできることは進捗を見守ることだけだが、いつかそう遠くない未来で自らが育て上げたウマ娘がレースやライブで輝く姿を「見守る」ことができる日が来ることを願っている。

 

以上の4作品が私が今年特に注目、期待しているルーキーたちだ。他にもリリースを控えるタイトルは非常に多く、それゆえに扱いきれなかったり存在を失念してしまっていたりもする。あるいは突如として嵐のようにやって来るキラータイトルが現れるかもしれない。多くのタイトルが新しい魅力でプレイヤーを楽しませてくれることを期待しつつ、私も更なる進化を遂げたスマホゲームを「喜」の向くままに探していきたい。

 

関連リンク

原神 公式サイト

ラクガキ キングダム 公式サイト

OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者 公式サイト

ウマ娘 プリティーダービー 公式サイト