喜の向くままスマホゲームブログ

当ブログは東アジアのスマホゲームについて「喜の向くまま」に書いていくものです。中国関連の話題が多めになると思います。

私は『アナザーエデン』の何に魅了されているのか

今回は日本のスマホゲームについてひとつ。

アナザーエデン 時空を超える猫WFS(当時はWright Flyer Studios)が2017年4月にリリースした作品で、先日ちょうど2周年を迎えたところだ。私も配信開始当初から楽しませてもらっている。

本題に入る前に過去の振り返りをさせてほしい。本作の存在が公になったのは東京ゲームショウ(TGS)2015でのことだ。WFSの親会社であるGREEブースで新作タイトルの1つとして発表されたのだが、そこでは見どころの1つとして「ソーシャルゲームをやめる」と打ち出しており、かなりチャレンジングな試みであることが示唆されていた。

しかし、しかしだ。GREEといえばDeNAとともに日本のソーシャルゲームを引っ張ってきた双璧の一方である。そんなところに自ら率先してソーシャルゲームをやめるなどと言われても、当時の私には信じられなかった。公開されていた開発画面の一部を見ても、当時はまだグラフィックも洗練されていないように私には感じられたこともあり、正直言ってあまり、いや全く期待していなかった。

だが、やはりゲームというのは自分でプレイしてみるまで分からないものだ。新作にはなるべく手を付けておきたいということもあり、リリースされてすぐどんなものかとプレイしてみた。βテストの評判が良かったことなどは知っていたが、この時点でも私はまだ疑いを持っていた。「そんなに大したことはないんじゃないか」と。

 

私は愚かだった。大したものだった。面白い楽しいのだ。ホーム画面という概念を取り払ったことでフィールドに放り出されたキャラクターはそのままフィールド上を歩き、走る。村や街に訪れては、土足で民家に押し入りタンスを開けてアイテムを物色する。メニューから各画面への遷移時にローディングで待たされることもない。素材を集めて装備を作る楽しさもあった。「私の知っているRPG」が、確かにスマホの中で動いている。間違いなくそこには心躍る冒険があったのだ。さあ困った。就業中だというのに、ゲームをプレイする手が全く止まらない。やめ時が全くわからない。久方ぶりの経験だった。私は一瞬で本作の虜になっていた。

 そんな本作が一躍有名に「なってしまった」のは昨年9月に発生した夢見の再抽選プログラムに関する「事件」だ。端的に言えばプレイヤーの知らないところでガチャに特殊なプログラムが組み込まれていたという問題だ。決して許されることではないし、その後の説明についても納得はできなかった。怒りを通り越してあきれるという思いだったし、ただ悲しかった。こんな形で有名になってほしくなかった。

正直あまり言及したくはなかったが、今となってはもう過去のこととして忘れ去られようとしている気がしてならないので、こうして蒸し返すことで風化させないようにしたいと考えた。

 

さて、だいぶ寄り道してしまったがそろそろ本題に入ろう。

私にとって『アナザーエデン』の最大の魅力とは「いい意味で変わらないこと」である。別の言い方をするならば「ゲームのために自分を変化させる必要がなく、ありのままでプレイできること」だろうか。

どういうことか。1つには本作が完全1人用RPGであることが影響している。TGS2015で語られた「ソーシャルゲームをやめる」という宣言は嘘ではなかった。PvPやマルチなんてものはないし、フレンドからユニットを1体借りて~もない。当然だ、フレンド機能すらないのだから。ゲーム内のどこを見ても自分以外のプレイヤーの影は見つからない。Twitterなどで同好の士を探そうとでもしない限りは「俺以外にこのゲームやってる奴いるのか?」と思ってしまうほどだ。

だからこそいつでも自分本位でプレイできる。他プレイヤーのプレイングでゲーム環境が変わる心配などこれっぽっちもしなくてよい。スタミナ制でもないので、マイペースを貫き通せばいいだけだ。他の誰かの存在を意識するようなゲームだと、しばしば競争が発生したり、場合によっては「自分ではない何者か」を演じるような人もいるかもしれない。そのような「我慢や無理」をする必要はない。

そしてもう1つ、「イベントがない」ことも重要だ。こう書くと語弊があるかもしれないが、本作におけるいわゆるイベントは終了日が設けられておらず、つまるところ追加コンテンツという形式で提供されている。さすがに夢見のラインナップ更新には期限があるものの、期間限定キャラクターというのもおそらく存在していないはずだ。イベントや特定のキャラクターが期間限定だと、「当時はまだプレイしてなかったからあのイベントを遊ぶことができなかった、あのキャラクターを入手できなかった」というのはよくある話だが、本作では起こりえないことだし、イベントの終了期限を気にする必要なんてない。

だから、いつゲームを始めてもいいし、1人用であることも相まって始めるのが遅かったことが何ひとつデメリットにならない。むしろ2周年を迎えている今こそ始めるにはふさわしいタイミングと言えるし、初期から多くのコンテンツに触れられるのはメリットかもしれない。そしてひとたび始めたら、あとは気が向いた時に好きなだけ遊べばいいし、もちろんいつ止めてもよい。ふとしたきっかけでゲームに戻ってきた時、おそらく増えているものはあっても減っているもの、得る機会を失ったものはないはずだ。戻るのがいつになっても、ずっと変わらずに待ってくれているような、そんな不思議な温かみさえ感じるだろう。

こういった試みを2年前の時点でやり遂げたというのは『アナザーエデン』の功績といっていい。先月末にリリースされた『グリムエコーズ』をはじめ、今後も『最果てのバベル』や『OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者』など、1人用を謳うRPGはどうやら増えていくようだが『アナザーエデン』なくしてこのジャンルを語るのはおそらく不可能だろう。それだけの作品に出会えた私はとても幸せ者だと思うし、まだ出会っていない人にも自信を持って薦めることができる優れたスマホゲームの1つである。